『伊那の古城』篠田徳登より 昭和39〜44年執筆 [1964〜1969]
下り列車は辰野を出ると、南に向かって伊那方面に行く様で、流れにそって、二、三分もするうちに右にまわって完全に北向きになる。この流れは横川川である。この川は元々天竜川の本流であったそうで、八ヶ岳の噴出物で甲州口がふさがって、諏訪湖の水があふれて伊那に流れ出してからは本流はそちらにうばわれてしまったが、この横川川は、木曽山脈を一まわりし伊那市の西の経ヶ岳の裏から流れ出している長い長い渓流だ。[p24]
新蕗原拾葉/地域の歴史資料をアーカイブ・閲覧ライブラリー by 柴徳昭