第十三・小平辰之介 三方ヶ原合戦に出陣


『小平物語』小平向右門尉正清 入道常慶  貞享3年 [1686]

「小平物語」 ※読みやすい様に管理人が箇条書き・()などを加えています。


第十三・小平辰之介御方原陣エ立事


元亀三申 [1572] の春 信玄公御領分へ御陣觸有て 同十月遠州三州え御發行なり 兩國取手城郭數ケ所攻落す也 某十七才にて立なり 極月に三方ヶ原合戦にも先手にて挊手(かせぎて)に合ひ候 是より以降は一年二三度の合戦朝夕の常器を濯(すすぐ)か如く心氣を養ふ暇なし



管理人訳:
13.「小平辰之介 三方ヶ原合戦に出陣」

1572年、元亀3年申の年の春、武田信玄は領地内に出陣の命令を出した。同年の10月、遠州(現・静岡県西部)三州(現・愛知県東部)へ出陣した。両国の砦と城を数ヶ所攻め落とした。

小平辰之介は17歳で出陣し、12月には三方ヶ原合戦で先方衆を務め、かせぎてに合う(←意味調査中)

この時以降、1年に1・2度の合戦があり、朝晩の食器を洗うが如く(頻繁に行われ)心が休まる時がなかった。


管理人考:
陣触れ=じんぶれ=出陣の命令を出すこと
遠州=遠江=現・静岡県西部
三州=三河=現・愛知県東部
極月=ごくげつ=12月