八王子神社

八王子神社 所在地:辰野町樋口


『八王子神社由来記』より 平成七年 [1995] 建立


八王子神社由来記

 八王子神社は素戔嗚尊の御子等八柱を祭神とする。「南信伊那史料」には、太古、荒神山の北方(平出・辰野地区)はすべて湖水で、大蛇が潜み辰の湖と称した。東側(樋口地区)は水門の役割を果たしていたが、洪水のため破壊され、湖も次第に涸れて平野となった。

 その後この地方には毎年疫病が流行し、人々は大蛇が居を失った祟りと恐れ、八柱奉祀して無病を祈願したところ、病は忽ち跡を絶ったという。ために、近郷近在から数里を遠しとせず参詣し、その霊験も著しいと記されている。

 造営年代は定かではないが、寛保二年 [1742] の「社壇造立入用覚」が残っている。明治三十三年 [1899] 、社殿周囲に玉垣鳥居の建設、同四十三年 [1910] 荒神社へ合祀、同四十五年 [1912] 耕地内各祝殿を八王子神社社殿へ合祀。大正五年 [1916] 石造五反幟枠建立。昭和二十七年 [1952] 及び平成六年六月 [1994] 、大改修が行われた。

平成七年十月 [1995] 建之 万五郎耕地


関連項目:辰の湖



「辰野町の誕生と伝説」p304 八王子神社

  国土交通省 中部地方整備局天竜川上流河川事務所 webページ 災害伝承カルテ No.24より

http://www.cbr.mlit.go.jp/tenjyo/flood/densho/pdf/sanko_007.pdf 

 八王子神社の伝説 「昔々、八王子神社は素盞鳴尊という神様が便りにしていた八人の御子がおなくなりになられ、神として祀られたという。

大古に平出・下辰野地区はすべて湖水になっていて大蛇が棲み、辰の湖といった。東側の樋口地区は水門の役割を果たしていたが、大水のために破されて湖も次第に涸れ果て平野になった。 その後、この地方には毎年伝染病ではげしい熱病が流行し、人々は大蛇の祟りと恐れ、八人の御子の霊を祀って無病をお祈りしたところ、病気は忽ち治ったという。」